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 街の外には舗装されていない道や危険な森があるにも関わらず、中の住民達はまるでそれを知らないような素振りである。 知っていても外に出る事が殆ど無く普段の生活には支障をきたさない為なのだろう。  春樹はそんな事を考えながら門近くを見ていたが、ふと街の中心部に目を移した。 煉瓦作りの黒い城が目に入ると思わずため息を吐く。 知識によると、あの城は王立エストレジャ魔法学園と言うらしい。 まぁ彼に通う気はない。 加えて義務教育である中等部までに魔武器作成や使い魔召喚もしてしまう為、高等部から通う生徒はこの世界の住民でも稀なのだが。  ところで学園があるのでわかるかもしれないが、ここはただの街ではない。 このノルタ大陸全体を支配するスノーリア帝国の都・フラウである。 しかし王族が統治するのは中央部だけで北はプリマヴェーラ家、東はエスターテ家、南はアウトゥンノ家、西はインヴェルノ家がそれぞれ統治している。 閑話休題。
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