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 しばらく歩いて、春樹はようやくギルドにたどり着いた。 周りに比べて一際大きい建物に交差された剣が描かれた看板がかけてある。 彼はしばらく外見を見ていたが、扉が開き中から人が出てきた為に慌てて横に避ける。 出てきた相手のつけている辛子色のフードが目に入り思わずそれを見ていると、相手は彼の視線に気づいて口を開いた。 「ギルド登録ならマスターに気をつけな。 その魔力だと一発で帝にされかねないよ」 「え」 春樹が尋ねる前に、相手は市場の方へ行ってしまった。 声からして男性である。  辛子色のフードの彼が言った『帝』というのは、ランク『SSS』までたどり着いた人物の中でなおかつ基本属性を極めた奴にだけ許され、最高ランクである『X』となる身分である。 今いる帝は5人でそれぞれ属性の色である赤・紺・緑・茶・辛子色のフードをかぶっているらしい。 知識と先程の男性を照らし合わせ、彼が雷帝だとわかった春樹は思わず慌てた。
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