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春樹はしばらく慌てていたが、面倒になってやめた。
『母さんや姉貴達もそうだったし、遺伝だろ』等と考えつつ、彼は両腕の手首に魔力抑制の腕輪を作って同年代の平均値程度になるように設定する。
引き戸をゆっくりと開けて入ると、中は彼の予想通り酒場も兼ねていて騒がしかった。
春樹が入ってきたのに気づいて彼を見る人々もいたが、殆どは気づいていない。
テンプレートだと酔っ払いが女性に絡むのを止めるものだが、ここのギルド員達はその辺りを弁えているのか仲間内でがやがやとやるだけである。
やる事も特にないので、春樹はそのまま受付に直行した。
「すいません、ギルド登録したいんですけど」
「……はい、では通行証などの身分が証明できる物を提出願えますか?」
そう尋ねられたので、春樹は先程門を通る際に作成した通行証を取り出す。
受付の女性はそれを受け取るとあちらではよく見たレジスターの様なバーコードを読み取る機械を使い、すぐにカードを彼に返した。
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