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「マスター!? い、一体何時から」
「初めからさ」
どうやらこの女性がマスターのようだ。
彼女にサラリと言われてしまったからか受付の女性は苦笑するが、彼は魔力の存在には気づいていたので思わず意外そうな顔をした。
そんな事を考えているとマスターに話し掛けられたので、春樹は仕方なくそちらを見て口を開く。
「戦闘なら拒否させてもらいますけど?」
そう断りながら、彼は笑顔でマスターに近づいた。
しかし彼女は笑って口を開く。
「なら、拒否する事を拒否するね」
「……出来ますね、えっと」
「フィオーレ=エスターテだよ。 あんたは?」
「俺は――春樹です。 安宅春樹」
春樹は流れで名乗ってしまった。
「そうか。 なら……春樹」
春樹に近づきながら、彼の目の前にいるギルドマスター――フィオーレは、口元に笑みを浮かべる。
それはそれは嬉しそうな笑顔だ。
「やりあおうじゃないか」
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