4613人が本棚に入れています
本棚に追加
/186ページ
フィオーレが入った部屋に春樹が続くと、どうやら先程言っていた訓練所らしい。
土が盛り上がっただけのリングが真ん中にある、至ってシンプルな白い壁の部屋だ。
彼はしばらく中を見回していたが、彼女がそのままリングに上って行くのを見て慌てて腕輪を外そうとした。
「武器を選んでから上がれば良いよ」
フィオーレがそう言うのが聞こえ、慌てていた春樹のスピードは若干落ち着く。
彼が腕輪を外したちょうどその時、リリーが武器をいくつか持ってきた。
解放された魔力に当てられたのか、顔が真っ青だ。
春樹は武器を見るには見るが本気で戦った事など無いので合う武器がわからず、フィオーレの武器を見てから作ろうと決める。
彼が何も持たずにリングに上がると、彼女は口を開いた。
「お前、武器は?」
「フィオーレさんの武器を見てから決めようかと。 ハンデは欲しいですから」
「……わかった」
そう言ってニヤリと笑うとフィオーレは深呼吸し、口を開いた。
「『フレイマ』」
最初のコメントを投稿しよう!