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フィオーレはそのままの勢いで剣を振るったので、春樹は身体強化していない状態で慌てて距離を取る。
「……『火の槍』」
彼がそう呟いてから彼女に向けて腕を振るうと、火属性の魔力で作られた槍の雨がフィオーレに襲い掛かった。
しかし彼女が剣を掲げると、それはフィオーレを避けて地面に落ちる。
「っ!」
「火属性は効かないよ……」
言ってからフィオーレはフレイマを持つ手に力を込める。
赤く光り始めた辺りからして、どうやら火属性の魔力を込めたようだ。
「あたしの属性だからね!」
そう言いながらフィオーレがフレイマを振ると、春樹の方に向かって、今度は彼女ではなく斬撃型の炎が飛んで来た。
しかし彼は避けない。
炎はそのまま春樹に襲い掛かり、まるで岩か何かが割れるような音と共に土煙が舞う。
傷ひとつ無いのを確認すると、春樹は黙ったままその場にいる。
しかしパイプは消した。
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