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(そうだ、俺は――っ!)
回想をやめた春樹は思わずため息を吐く。
「……車に引かれて死んだのか」
「そうだよ、何で助けたんだ馬鹿」
誰もいなかったはずの空間で突然知らない声がした。
彼が勢いよく聞こえた方を見ると、そこには背中から4対――8枚もの羽が生えた青年。
なかなかの美形である。
「……あんたは、神か?」
「違う。 僕はウリエル――破壊を司る、四大天使が1人だ」
それを聞いた春樹は、期待ハズレとでも言いたそうな顔をする。
「んだよ、ここはイケメンの神が出てくる所だろ? もしくは美女か美少女か美幼女の」
「最後だけおかしいぞロリコン」
「ネタで言っただけだ」
「わかってた」
「わかってんなら言うな!」
ウリエルとの即答での応酬がしばらく続き、春樹は最後にそう言い放った。
その直後だ。
「初めまして、安宅春樹さん」
彼の耳に、自分の名を呼ぶこれまた聞きなれない声が届いた。
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