7/14
前へ
/186ページ
次へ
 それを聞いた彼はゆっくりと口を開く。 「そうなのか。 大変なんだな……」 「はい――」 少女は小さくため息を吐くと少しうつむいた。 しかし少しすると何か思い出したらしく、彼女は顔を上げる。 「あ、申し遅れました。 私はフィエリテ、最近代替わりした複数界の管理神です」 「……あんたが神か」 「はいっ」 唖然としながら行った春樹に肯定の意を示し、彼女はニッコリと笑った。 しかしフィエリテは突然表情を変える。 「そうだ。 忘れる所でした」 ふとそう口にした彼女が指を鳴らすと、ウリエルと共に白い何かに包まれて周りの景色と一体化し、春樹の目から見えづらくなる。 それはどうやら光だったようで、眩しかったのか彼は目をつぶった。 しばらくしてからゆっくりと目を開いた春樹は息を呑む。
/186ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4614人が本棚に入れています
本棚に追加