脱出

14/28
前へ
/434ページ
次へ
「まだこねえのか!」  ディジーはボンベを投げ叫んだ。ボンベの数はあと残り一つとなっていた。 「マズいな、増えてやがる」  爆発をものともせず、大群が押し寄せる。バッグに残る弾薬も僅かになっていた。  別方向からタラップに捕食者が上がる。それをレイが蹴り飛ばし、頭を撃ち抜いた。 「撤退するぞ! これ以上待ってられるかっ!」 「まだだ! タップは来る!」 「もうくたばっちまってやがるさ! 諦めろ! そこらの車で我慢しろ!」  レイは唇を噛み、拳を握りしめた。 「ダメか……タップ」
/434ページ

最初のコメントを投稿しよう!

206人が本棚に入れています
本棚に追加