206人が本棚に入れています
本棚に追加
「まぁ、そんなもんすぐ忘れて、今に襲ってくるだろ。最後に酒でも飲みたかったぜ」
ディジーはタバコを投げ捨て、空に向かい煙を吐いた。
「ぼ、僕達、死んじゃうんですか」
犬を抱え蹲るトレバーが、頬に涙を流しながら問う。レイは言葉を選んでいたが、何も答えてやれなかった。その無言が、トレバーには理解できたようだった。
「お前だけでもお逃げ」
トレバーは犬を放す。しかし犬は尻尾を振り、トレバーの顔を見続ける。
「僕に付き合ってくれてありがとう。君は賢い犬だね。一人でも頑張って生きるんだよ」
最初のコメントを投稿しよう!