脱出

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「まぁ、そんなもんすぐ忘れて、今に襲ってくるだろ。最後に酒でも飲みたかったぜ」  ディジーはタバコを投げ捨て、空に向かい煙を吐いた。 「ぼ、僕達、死んじゃうんですか」  犬を抱え蹲るトレバーが、頬に涙を流しながら問う。レイは言葉を選んでいたが、何も答えてやれなかった。その無言が、トレバーには理解できたようだった。 「お前だけでもお逃げ」  トレバーは犬を放す。しかし犬は尻尾を振り、トレバーの顔を見続ける。 「僕に付き合ってくれてありがとう。君は賢い犬だね。一人でも頑張って生きるんだよ」
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