90人が本棚に入れています
本棚に追加
秋に入ったばかりの季節の夜。
北部にあり、そして山の上にある国境の砦には、平地の民たちの嫌う残暑とは普段なら無縁だ。
だが、今日に限って気温は高く、空を雲が覆い被さり蒸し暑い。
しまいには山の下から登ってきた近隣住民の子供の放したセミの鳴き声のせいで真夏に逆戻りしたかのようだ。
そして何より、ハイマンス・ハルトマン中尉を苛立たせているのは、夜更けに叩き起こされ、完全装備をするはめになったからだ。
最初のコメントを投稿しよう!