蜘蛛の糸

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私の元にこの奇怪な手紙が届いてから一週間たった。 初め、この手紙を読んだときは、怖くて仕方なかった。 だけど、この手紙が届いてから一週間たっても何事も起こらなかった。 ただのイタズラかな?と思ったら、一週間前、怖がっていた自分に少し腹がたった。 私はゴミ箱にこの気色悪い手紙を捨てた。 それから、何事もなく家を出た。 外に出ると、冬の冷たい空気が辺りを包み込んでいた。息を吐くと白くなって消えていく。幼い頃、こうやって一人で遊んでいたことを思い出した。 鍵を閉めて、階段を下りる。 私の借りているアパートは五階建てで、エレベーターは付いていない。だから私は毎日この階段を登り降りしてる。 住み始めた当初は、運動不足もあって、筋肉痛になるほどキツかった。だけど、住み慣れていくと同時に、徐々に平気になっていった。 .
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