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笛の音階が何重にも重なったかのような、不思議な楽器の音色。ゆったりとした曲調。
奏でられている曲は、僕の知っているものではなかったが、その正体に興味が湧いてきた。
教室を出ると、階段の方へ向かった。
音源は音楽室だろうと思ったからだ。
目指すべき音楽室は5階の廊下の突き当たりにある。ここから音楽室に向かうには、3回も階段を上がらなければならなかった。
その労力を引き換えにしても、好奇心は抑えられなかった。
しかし、5階にきて音楽室に向かおうとすると、それが間違いであると気づいた。近づくに連れて、音が微妙に小さく聞こえるようになったからだ。
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