王子様はあちらへどうぞ

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「貴族や王族が護衛を雇わない訳がないだろう。そんな簡単に襲われるものか」 馬鹿にしたように鼻で笑ったギギを見て、それもそうかと頷く。 そのまま、首を傾げる。 「でもギギ、前方にあるあの人が群がってる馬車は?」 「……」 思わず二人揃って黙り込む。 テンプレって本当、その辺に転がってるようなものなんだね。 「……助ける気があるならお前が行け」 「え、でも私助けたとしてもお礼とかいらないし……」 「なら何故助けるだのなんだのと言った」 「テンプレだったから……」 ギギは私の言葉に訳が分からん、と頭を振って、露骨に馬車を避けて進み始めた。 多分これ通り過ぎるの無理だと思うけどなー。 「見るな。聞くな。無視しろ。面倒な予感がする」 「う、うん……」 そう言われても気になるものは気になる訳で。 .
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