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目を開けてみれば白い天井。
白い天井は見飽きているわけだが、どうやら私の知る白い天井ではないようだった。
……いつもの痛みが無い。
むくりと体を起こすと、なぜか私は裸で目の前に一つの机。
デスクトップパソコンが置かれ、サラリーマンのような目付きの悪い男が座っている。
目付きの悪い男はジロリと私に視線をやって、山積みの書類をめくった。
誰だ、この人。
特に恥じらうこともなく訝しげに見つめると、男はさらさらと書類に何かを書き込みながら呟いた。
「君は選ばれた。元の世界とは違う世界で生を受け、永遠にその世界で日々を過ごすだけでいい」
「えっ」
「好きな力をやろう。だが、勿論拒否権はある。その場合には丁重に輪廻へ戻そう」
このサラリーマンは何を言っているのだろうか。
元の世界とは違う世界?異世界ってこと?
永遠にその世界で過ごせ?なんでまた。
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