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結局野宿で夜を明かし、次の日になって私達は街道を歩いていた。
街道を見て思い浮かぶものはたった一つだけだ。
「私まだ誰かを助けて感謝してもらうっていうテンプレをまだ消化してない!」
「……何の話だ?」
メタ話ですギギさん。
とにかく、異世界に来たっていうのにまだ人を助けてない。
いかがなものかと思う訳で。
「たまたま盗賊かなんかに襲われてる馬車を助けたらそれが王族とか貴族とかでしかもイケメンとか美少女で助けた私に惚れました結婚してください旅に行くならついていきますって展開なの!」
「俺では不満か」
「ギギ様結婚してください」
返事が早くてよろしい。
ギギはそう言って笑う。
結婚に関しての返事はなかった。
イケメンも美少女もいらない。
私もうギギだけでいい!
ギギとの出会いとか明らかに運命だし!
ああんギギさまああ!
……ガッツリ無視された。
はあ。ノリ悪いな今日。
一人でテンション上げ下げするのツライよ。
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