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視界が遮られ、周りが一気に静かになる。
俺は慌てて空気中に飛び出した。
見れば、俺たちを囲んでいた穴のすべては勢いよく水を噴出している。
俺たちは水の中にいた。
「みんな大丈夫か!」
ケンスケの声が聞こえる。四人とも水面に顔を出していた。とりあえずみんな無事のようだ。
水面はものすごい速さで上昇する。もうすぐ壁に書かれた六メートルを越えようとしている。
二十メートル地点には天井。
水面が二十メートル地点に到達したら……?
やばい。
そう思っているうちにも水面は十メートルに到達する。
すると、水面の上昇が止まった気がした。
いや、止まったのではなかった。水面の上がるスピードが遅くなっただけだ。危機的状況に変わりはない。
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