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気性が荒く、怒らせると手がつけられなかったユウキ。
かつては不良集団をまとめる番長だったようで、ケンスケと喧嘩をしてケンスケを殴ったこともある。
俺たち四人は仲が良かったけれども、ユウキがその場にいないときは三人でユウキの悪口を言ったときもあった。
でも、ユウキは一度決めたことは最後まで貫き通す芯の強い男だった。
高校時代、成績は悪く、問題児だったユウキ。でも、今通う大学に惹かれたユウキは一生懸命勉強するようになった。その結果、成績は飛躍的に上がり、この大学に入ることができたという。
今回もユウキは絶対にボタンを押してくると言った。だからユウキは死んでもボタンを押そうとしただろうし、実際に押した。
すさまじい水圧に肺を押し潰され、酸素のない水中で窒息し、怪物に襲われながらも、彼はボタンを押したのだ。
仲間を守るためにーー。
涙がこぼれ落ちた。次から次へと涙があふれ出てきて止まらなかった。
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