乗客

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全身から汗が噴き出した。 一度は消えかけた恐怖が再びこみ上げてくる。 バスが乗客はあとはお前だけだぞと入り口を開いてぼくを待っている。 だが、ぼくに乗ろうという気持ちは微塵もなかった。これ以上彼らと同じ空間にいるつもりはなかったし、本能が行くなと警告を発している気がした。 バスを見送るとすぐに駅は電気が消されて閉められてしまった。K駅は森に囲まれていて周りに家もなかったので、ぼくは無人の駅で野宿するはめになった。けれども、あの得体の知れないバスに乗っていくよりは遥かにマシに思えた。
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