心の中の黒い箱

廃墟で

「……はあはあ、びっくりしたわ」

「俺はお前の悲鳴に一番びっくりしたよ！」

みんなが落ち着きを取り戻したところで外で四人を待っている女の子のもとに向かった。

「あ、いたいた。待たせてごめん……ん？」

様子がおかしかった。

建物の方を指して唇を震わせている。

「どうした！」と仲間が呼びかけてもうまく話せないようなので、ぼくたちは彼女を連れて車へと逃げ帰った。