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おばあちゃんが病気で寝込んだと聞かされたのは、僕が小学生になってすぐのころだったと思う。
おばあちゃんは病院に入院するのではなく、自宅の自分の部屋で病気を直すようだった。
ぼくはおばあちゃんがとても心配だったのだけれど、両親はおばあちゃんが寝ている部屋に行ってはだめだといった。
ぼくは何でと問う。
するとお父さんは、「おばあちゃんの病気はちょっと重くてね、近づけば簡単に人に移ってしまうものなんだ。特に身体の小さな子どもはね。だから隆史、いいか?あの部屋に入るのはとっても危ないんだよ」といった。だから決して部屋に入ってはいけないぞ、と少し怖い顔をしてつけ加える。
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