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ぼくはおばあちゃんの部屋から聞こえてくる、咳をする音を聞くのが辛かった。
優しかったおばあちゃんが重い病気で苦しんでいる。
部屋に入ることを禁じられているので、しばらくおばあちゃんの顔を見ていない。
痩せ細ってはいないだろうか。病気にやられて痛い思いをしていないだろうか。
ぼくは心配でたまらなかった。
はじめはマスクをしたお父さんやお母さんが、看病のために部屋と台所を往復していた。
でも、日に日に咳をする音は聞こえなくなり、両親もあまり部屋に入らなくなってきているのをぼくは感じていた。
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