夜の友だち

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ある日の音楽教室の帰り道、私はいつものように鼻歌を歌いながら家に向かっていた。 その帰路の途中に電灯が乏しくて薄暗い横断歩道がある。車もあまり通らず、人通りも少なかった。 その横断歩道にさしかかったとき、どこからか声が聞こえた気がした。 とても曖昧で不確かな声だったのでその時は気のせいだと思った。 青になった信号を確認し渡ろうとすると、再び声がしたので立ち止まって辺りを見回す。 さっきよりもはっきりと聞こえたので、これは空耳ではないと感じた。幼い女の子の声で「いっしょにあそぼうよ」と確かに言っていた。でもどこから言っているのか、声の発信場所がわからない。 「誰かいるの?」 とりあえず、そう呟いてみる。 すると、すぐに声が返ってきた。
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