飢える山

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しばらく歩くと山小屋を見つけた。 山の中にぽつんと一棟だけ建てられていてとても古そうに見えたので、人が住んでいるようには見えなかった。 私は携帯でレスキュー隊に連絡し、ここで救助を待つことにした。山小屋という目印があるのでヘリコプターからも見つけやすいと思ったのだ。 ドン 何かがぶつかるような大きな音がした。小屋の中からだ。 覗いてみると玄関に藁草履が一足置かれているのを見つけた。 完全に廃屋だと思っていたが、誰か人が住んでいるようだ。 しまった。中の人に道案内をしてもらえばいいのに、私ときたら大げさにレスキュー隊を呼んでしまった。こんなボロい家に人が住んでいるなんて思いもしなかった。「やっぱり救助してくれなくても結構です」なんていったらレスキュー隊の人たちは怒るだろうか……。 ドン、ドン そんなことを考えていると、再び大きな音がするのが聞こえた。玄関に入ってすぐ正面の木製の引き戸からそれは聞こえているようだ。 小屋の入り口から様子を窺っていると、突然戸が暴れ出した! ドンドンドンドンドンドンドンドンッ!
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