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秋の流行に未だ乗り移れていない蝉の声を通り、坂を下る。
俺の通う私立東風高等学校は高台の岬にあるため、広がる日本海を一望出来たりする。
しかも俺の家も海沿いにあるので、登下校中ずっと片手に海を臨むことが出来る。
まぁ台風のシーズンになると大変だったりするんだけど。
今日の空模様は、まだまだ夏を彷彿とさせる快晴で海も穏やかだ。
そんなどこまでも続く水平線を眺めながら歩いていると、どこからともなく声が聞こえてきた。
「どぉぉぉきぃなぁぁさぁぁぁぁぁぁぁいッ!!」
後ろを振り向くと、自転車に乗って猛スピードで坂を下る少女の姿があった。
「……え?」
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