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「坂下なににやけてんだよー」
「うるっせぇよ…、」
教室では、赤面する坂下とそれをからかう草摩、と。
一部始終を見ていたクラスの女子の黄色いざわめきが残された。
「お前も屋島も、罪作りだよなぁ」
「なんの話?」
「…屋島はあの爽やかさだ、前からモテてたけど最近はそれにさらに拍車かかってるみたいだし。」
「…あいつやっぱモテるのか」
「ったりめーだろ。お前は屋島と仲良くなってからよく笑うようになったから近寄ろうとする女子が増えてるし」
「…それはないと思うけど」
「ぶぁか、お前が知らないだけだよ。女子からしたら俺らの中で一番話しかけやすいのは屋島だからあいつお前のメアド聞かれたりすること結構あるみたいだぜ」
「…そんなの俺聞いてねぇよ」
「お前に言ってないからだよっ。あいつが女子に坂下のこと聞かれる度に爽やかじゃない屋島が降臨しそうになるから俺らが必死で宥めてんだよ、俺らの苦労を少しは知れよなー」
「…なんか悪ぃな」
「別にいいけど。あいつ結構ヤキモチ妬くみてーだから。そこは覚えとけよ?あとで怖い目見んの坂下だし?」
「……おう。」
俺だって、ヤキモチ、くらい。
そう思ったが、その言葉は飲み込むことにした。
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