さよならは突然に

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もともと私には 長所がなかった。 学校のアイドルであるお姉ちゃんは当然家でも アイドルである。 神は二物を与えないなんて嘘。 お姉ちゃんはいくつでももらってる。 私は正反対で モテないし さらに勉強もできない。 服は全部お下がり 私はいわゆるできちゃったっていうおまけみたいなもん。 しかも せっかく産まれてきても いいところがない。 お金を食べる金食い虫といったかんじだ。 つまり両親でさえ私なんかよりお姉ちゃんが好きで 誰からも必要とされない。 だから消える。 このフェンスをこえればなにもなかった事になる。 そうおもった。
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