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禁断の果実
ある朝だった。
なんだか暖かい…
…ん…
ゆっくり目をあける。
そこには天使がいた…
「おはよう唯ちゃん。今日はお姉ちゃん検査中だから代わり僕が来たよ」
すごく暖かい笑顔で微笑む。
「着替えるのでもう帰ってください。」
私はカーテンを閉めようと立った。
でも小森さんはそれを許してくれない。
「お姉さんじゃなくて残念かもだけど人とのコミュニケーションは必要だから…もう少しお話しよう…?」
なんなの…その来たくないのに
僕は治療のために君と話しているんだみたいな…
むかつく…
「そうですか…小森さんは一途ですね、昔付き合っていた私で会うのは気まずいはずなのに、『お姉ちゃんの妹』だから会うなんて」
「ち…ちが…僕は…!」
小森さんはなにかいいかけたけど
私は言い訳なんか聞きたくなくて
ダイナミックに患者着を
脱いで肌を露にした。
「もし違うっていうのなら私のこと抱いてみてください。」
余命が一年しかないのだし
少々むちゃしたって
きっと神様には怒られない。
そう願った。
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