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「唯…?」
お姉ちゃんがこちらを向いて唖然としている。
「あ、お姉ちゃん…麻酔のチューブがとれちゃったの…痛くて…とりあえず見てもらったんだけどお医者さんがなかなか来てくれなくて…」
普段ならむちゃくちゃ動揺する所だけど…
病気のせいなのかすごく冷静だった。
幸い突き飛ばしたせいで小森さんは椅子に座っていたし…
私はギリギリで布団を被ったから問題なかった。
「千沙…」
小森さんはお姉ちゃんの名前を静かに呼んで荷物をうけとる。
ちさ…
呼び捨て…
小森さんは…さっきどうしてあんなこと言ったのだろう…
見ていても分かるくらい二人は愛しあっているのに…
どくどくと私の中で何かが叫んだ。
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