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「ただいまー。って、起きてないか…」
深夜3時。早く帰るとは言ったものの、ライブ後の打ち上げは大いに盛り上がりこの時間に。俺が主役だし、抜けるわけには行かなかった。
部屋に入るとソファーにそいつは寝ていた。
待っててくれたんだろう、テレビも電気もつけっ放し。
「ごめんな、じん。ありがとう。愛してる。」
小さな声で呟き、ほっぺに軽くキス。
立ち上がって水を取りに行こうとしたら、急に腕を引っ張られ態勢を崩した。
「う、わっ!ちょ、……」
『おかえり。』
「……ただいま。ごめん、起こした?」
『いや、ちょっと前に起きてた。』
「え、起きてたって…」
『ちゃんと聞いてたよ。』
「…っ最悪。」
『滅多に聞けないからなー。お前からの愛の言葉は。』
「忘れろ。」
『やぁだよ。』
そんな会話をしながらぎゅうと抱きしめてくる。
あぁ。ここが1番安心する。
俺を包んでくれる大きな腕が。匂いが。存在が。
「見守ってくれてありがとな。」
『当たり前じゃん。俺の和也だもん。何かあったら困るし。』
「ふはっ。なんだよそれ。」
『それより、俺ずっと待ってたんだけど?ほっぺじゃなくてちゃんとちゅーして欲しいなー?』
「えー。なんかやだ。」
『えっ!ひどい…』
「うそうそ。たくさんする。」
『やん。かずちゃん大胆。』
「言ってろばーか。」
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