知らなくていいこと。知りたくなかったこと

2/2
前へ
/46ページ
次へ
「むーサン。はよ」 「あ、おは。朝からお疲れ」 「あー…低血圧にはキツいよね。朝イチからの講義」 「まぁね~」 「…どうした?」 「ん?なにがだい?我が友よ」 「キモい。誤魔化すな」 「ケイちゃんてば、ひっどぉ~い」 「…はぁ。新庄サンは元気?」 「うん。今日も元気に新聞読んでた」 「へ~。なんか、お前の話しに出てくる新庄サンって毎回新聞読んでね?」 「日課だからね。トレードマークみたいなもんかも」 「…で、その新聞の君と何があった?」 「……ケイちゃん鋭すぎる。心臓抉れそう」 「はいはい。それで?」 「…これは、1つの戦争の歴史」 「…は?」 「また云われたの!“死刑”って!」 「……は?」 「もうそろそろ慣れて欲しいもんだよね!全く…」 「…スイマセン。意味がわからないのですが」 「え~?ケイちゃん鋭いのか鈍感ちゃんなのかわかんないなぁー…」 (…なんかムカつく) ―――ガサゴソ、ガサゴソ 「ジャーン!これだよこれ!」 「…あぁ、“ソレ”ね」 「お昼の時もそうだけど、朝も夜もかけてるんだぁ~!オイシイし」 「…死刑ってさ…イコール、食材のキモチを理解した新庄サンのお言葉なんでない?」 「え?どうして?」 「いや…可哀想だろ。形が見えないくらいソレかけられる食材が。料理が」 「えー…?そっかなぁ…」 「…もしかしてさ」 「うん?」 「…朝また、タルタルかけるな!って怒られたからそんな落ち込んでたわけ?」 「そうだよ!」 「………」 ―――グリグリグリ! 「ちょっ!痛いっ!痛いんですけどっ!脳ミソ出ちゃうぅぅ~!」 「オレの時間と神経と失った細胞を返せ」 *
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加