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それから、朝のHRが始まるまで俺たちは雑談しながら盛り上がっていた。タクヤも先程のジュンの一言から目が冴えたらしく俺たちの会話に加わっていた。
「もう帰っていーんじゃねーの?」
そんなとき、ふと誰かの声が聞こえてきた。陸上部のカズヤである。彼は面倒くさそうに呟いていた。
「もう少し待とうよ…どうなっているかわからないことだし!」
カズヤに遠慮がちだがしっかりと答えているのはサヨ。彼女はかなりフワフワしていて可愛いし優しい。そして、俺の彼女でもあった。
カズヤはサヨの笑顔に顔をつまらせ、そっぽを向きながらも「わかったよ!」と返事をした。
サヨはカズヤが怒ったのかと思い慌てていたようなので、
「サヨ!大丈夫だよ!」
代わりに俺が言うと安心したかのようにほっと胸をなで下ろしていた。
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