第一章

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第一話 弾幕ファイト開催! 幻想郷がリングだ! 先日、幻想郷に飛来した巨大な物体……。 その行方は忽然として消えてしまっており、レーダーの誤認か何かと結論付けされた。 そして今日、幻想郷に飛来する物体が、新たに五つ。 一つは人里近くに、 一つは魔法の森に、 一つは天界に、 一つは命蓮寺に……。 そしてもう一つは、ここ…元は紅魔館であった廃墟へと落ちていった。 紅魔館跡地の庭には巨大なクレーターのみが残り、落下した「何か」の形跡は見当たらない。 墜落の衝撃で粉砕した訳ではなく、影も形も無くなったような感じである。 人里の方にも同じように何らかの落下物があったという報告があり、山の天狗による情報規制が行われた事から、人里に住む人間達は悟った。 弾幕ファイトの開催を、である。 同時刻―――人里。 いつ勃発するかも分からない弾幕ファイトからの避難によって、閑散としてしまった酒場。 この日、見慣れない怪しい子供が姿を現した。 リボンの尾がハチマキのように垂れ下がった、膨らみのある帽子を目深に被っている…。 それに、晴れの日の昼間だと言うのに、まるでお天道様の目を避けるかのように、小さな身をケープで隠しているのだった。 レミリア「ご主人、聞きたい事があるのだけれど… この写真の女を知らないかしら」 聞き込みを始めるレミリアだが、彼女の前に大柄の男が立ちふさがる。 この人里周辺を根城にして、最近活動を始めた盗賊団に目を付けられたのだ。 易々と盗賊団を叩きのめしてみせるレミリアだが、男達の次は山の天狗に行方を阻まれてしまった。 そのうち一班の班長である、「犬走椛」は、こう語る。 椛「貴方、どうして盗賊団の連中に目を付けられたのか分かりますか? 盗賊団のリーダーが、"紅魔館代表の幻想ファイター"を名乗って、妖怪達を引き連れ、このように無茶苦茶やらかしているんです。 そのリーダーの名は…紅美鈴(ほんめいりん)!」 レミリア「何…ですって…!」 椛「美鈴は大勢の手下を使い、この地にやってきた幻想ファイターをリンチに掛けて、棄権させようって言うんですよ。 私達天狗や里の人間からしたら、そんな騒ぎを起こされるのも、弾幕ファイトが始まって里が破壊されるのも、堪らないもんですよ…。 白状なさい! 貴方は一体どこの弾幕ファイターなんです!?」 レミリア「……私はただの旅行者よ。そう言ってるでしょう」
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