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「お二人の考えはわかりました。ですが、うちの冴木十子は我々のような役職にありません。しかも、厚見、穂苅、大東の3名は有段者ですよね?他の職員が手を出せないでいたのも、彼らを恐れてのことではないんですか?であれば、僕は彼女を危険に晒したくないんですが。」
話を聞いていた鬼倉が、十子さんを庇った。
というより、十子さんのことを案じた。
おハリ様の超常現象にはほとんど介入しなかった鬼倉が、である。
彼ら『アホだ三兄弟』が怒って十子さんに直接の暴力で訴えてくれば、彼らは傷害罪となるが十子さんも無事ではすまない。
「やめましょうよぅ、十子さぁん。俺が別のやり方でやり込めますからぁ。」
高見も止めるが、十子さんは高見に任せる気はない。
高見に任せたら、下手すると人格が変わりかねないし、彼らの怒りが高見に向くだけで被害者が高見になりかねない。
さらに、これは十子さんに持ち込まれた仕事なのだ。
己の職務を丸投げする十子さんではない。
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