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1ヶ月の猶予をもらい、会議室から出た十子さんがまずしたことは、電話をかけることだった。
鬼倉と高見の前で、携帯を耳に押し当てる。
相手はすぐに出た。
「私だ。早急に鈴木にアポを取ってくれ。」
相手は、鈴木市長の有能かつ盲目的信奉者の秘書、勝山だ。
「あぁ?この間の件なんぞ蒸し返すか!別件だ!」
十子さんの娘の式の非常識な祝い金のことである。
「今日の午後4時半。わかった。必ず行く。A区立の総合スポーツセンターのことだ。そう言えばわかる。」
用件だけ伝えて自分の用が足りると、十子さんはすぐに電話を切った。
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