新たな依頼

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翌日、十子さんは高見と春日部課長とともに、区立総合スポーツセンターへ出向いた。 「今日も出勤してすぐに武道場に籠もったそうよ。」 区役所を出る前に春日部課長がセンターへ連絡して確認したらしい。 「かまいません。その方が都合がいい。何しろ職務怠慢の現行犯ですから。」 センターに着くと、三人は事務室に挨拶した。 センターの責任者は、公務員ではない。 はっきり言って、市役所と区役所から厄介者を押しつけられた被害者である。 「今日はね、あの三人に最後通告をしにきたのよ。ごめんなさいねえ、こんなに長くご迷惑をかけて。」 春日部課長は、責任者の初老の男に頭を下げた。
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