十子さんの吠える日々

新たな依頼

一方、春日部課長が笑ってしまったのでどうやらバカにされたらしいというのが三人に伝わってしまった。

「我らを愚弄する気か！！」

厚見が部屋を震わすような声で叫んだ。

だが、十子さんの表情は変わらない。

「公務員たるもの、己の職務が何たるかを弁え、精進しろ！公務員という立場で優遇されるのなら、日々の職務で地域の皆様に応えんか！こんなところでうつつを抜かしてこれ以上職務を放棄するのであれば、公務員の職を辞して己の力で上を目指せ！」

「無理ですよぅ、十子さん。それができたら、とっくに辞めてますって。回りからぬくぬくとした環境を作ってもらわないとダメなんですよ、彼らは。」

高見は、笑顔できついことをさらりと言う。

三人の怒りの矛先が高見に向いたが、もしかしたら高見は十子さんをかばったのかもしれない。

「貴様ぁぁぁ！！」

次男のような穂苅が、高見の目の前に来て唾が飛ぶくらいの距離で威圧してきた。