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笑顔のまま黙った鬼倉は、十子さんを会議室に連れて行った。
高見を呼びはしなかったのだが、備品なのでついてきた。
もはや彼らの半プライベートルームになった第2会議室に入ると、鬼倉の笑顔が一気に不審そうな表情に変わった。
「3週間て。どこに行くん、十子ちゃん。」
「そこは適当に作っておいてくれると助かる。」
十子さんにしたら、それは非常に珍しい行為だ。
言わば、空出張を公然と頼んでいるのだ。
公務員としての職務に非常に真摯に取り組んでいる十子さんが、自らルールを破ろうとしている。
それが、どれほどおおごとか。
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