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「十子さあん。これ、御守りですぅ。」
一応市役所に出向という建前になっているにもかかわらず、高見が御守りを差し出してきた。
十子さんは、無言で受け取ると、いきなり御守りの中を開いた。
「盗聴器だか発信器だか知らんが、そんなものを私に寄越すとはいい度胸だなぁ、高見ぃ。」
どうやら御守りの中身は、発信器だったらしい。
十子さんがどこにいくのかどうしても確かめたい高見のありがたくないプレゼント。
十子さんは、御守りの中身を下に落とすと靴で踏みつぶした。
できれば、高見本人を踏みつぶしたかったのかもしれない。
「だって、心配なんですよぅ。俺のいないところで・・・いないところで・・・第2の黒川真理亜のような女狐がっ!」
「ちょっと!誰が女狐よ!能無し腹黒狸!」
総務課に乱入の黒川さんである。
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