兆し

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 そこまで考えたところで先の音を立てていた本人が現れた。  「貴様か、アリア様に奇襲を掛けた輩は。」  ・・・奇襲?アリア様?  「あの、奇襲って・・・」  「一人で来たことには感心するがアリア様を襲ったからにはただでは済むまい。」  「いや、聞けよ」  こいつ・・・よくあるパターンの奴か、話すのが嫌になってくる。  「ま、泣いて許しを乞うのなら許してやらなくもないがな」  また聞いてない、とにかく今はここを出ることが優先だ  やっと思考力が戻ってきた頭でそんなことを考えていた。  泣いて許しを乞うなら考える、か・・・演劇歴1年、高校演劇部の実力を見せてやる!  「エーン、ユルシテクダサーイ」  「・・・」  ふっ、僕の演技力を前にして、あまりに深く同情させてしまったか・・・  「・・・おい、衛兵、こいつを釈放より先に精神科の医師に診せてやってくれ」  え・・・僕、なんか変なことしたか・・・?
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