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2030年9月24日木曜日 12:30 東京
一人、黒髪の長い少女が制服を着て歩いている
目つきは鋭く、スラリとした手足に170㎝程ある高身長
ほとんどの人は、この少女に声をかけるのをためらうのではないのだろうか
そういった印象を植え付ける顔立ちとスタイルをしている
ここは、この少女「月見うさぎ」が通う高校の近くだ
9月下旬だというのに、高校からの帰り道にはいまだセミが鳴いている
もちろん気温もじっとりとした暑さがまとわりついてうざったく
それが余計に暑さを助長させているような気がして仕方がない
「セミさん・・・お願いだから早く役目を終えてくれないかな」
誰に話しかけるでもなく・・
肩より長く伸ばした黒髪を後ろでまとめながら、暑さを助長させているセミに対して悪態をつく
「セミは悪くないでしょーに」
不意に後ろから、呆れたような声でうさぎの独り言に返事が返される
「おぉー・・ゆぅ~」
うさぎは後ろを振り向き、声の主に覇気のない返事をする
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