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それを見て、きっと拒否されないと思っていたのにもかかわらず淳は驚いて目を見開いた。
そして、自身の瞼をそっとおろす。
引き寄せながら思うのは
きっとこれから先も、貴方に恋をするだろうってことと。
触れたくて堪らなかったものの愛しさは、計り知れないものだということ。
これからももっとずっと惹かれるだろうアナタに。
想いをさらに募らせながら―――離れる隙のないほどに、甘すぎるだろう彼女の唇にキスをした。
瞬間、彼女の右手がギュッと胸元を握りしめるのを感じ、淳は菜穂子の体を力強く引き寄せた。
先輩……俺の粘り勝ちですよ。
貴方に気軽に声を掛けるようになりたいためだけに、がちがちだったあの頃を捨ててこんな風になったんです。
これから先は、甘い言葉も褒め言葉も、全部あなたに捧げますから。
クダラナイ嫉妬で、俺を嫌ったら許しませんからね?
強く引き寄せ柔らかな髪に差し込んだ感触を楽しみながら、淳はうっすら開いた彼女の唇の中をさらに深く味わう。
菜穂子が雨音を気にする余裕が無くなるほどに、2人の唇が交わる音がフロアに響いた。
(fin)
先輩後輩編、これにて終了です。
まさかのアノ続編、お気づき頂けましたでしょうか?
楽しんで頂けたら幸いです。
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