ズルい思考と欲と

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 *  何をどうしたらそういう行動になるのか、いきなり頬を抓りだしたり雄たけびを上げる葛西に苦笑しつつも、意を決して誘ってみた。  正直なところ、めちゃくちゃ恥ずかしい。  なんで俺が葛西相手に恥ずかしいとか思わなきゃならないんだ? とか思わないでもないが。  なんというか。  折角野球するなら、誘ってやりたいと思った。  よく分かんねーけど、こいつが俺の野球してるのを見てきたとか言うし。  野球部が学校にないことくらいで落ち込むんだから、よっぽど好きなんだろうし。  ……そう思ったら、なんか声をかけないのは居た堪れない気がしてきた。  そう、それだけ。  それだけのはずなんだけど。  どうにもこうにも、なんか恥ずい。  っつーかコイツ、瞬きもしないんだけど。  もしかして困ってるとか?  やっぱ、休みの日に誘うなんておかしなことしすぎたか?  色々思うところがあってモヤモヤする。  けど、それをやり過ごせるほど大人でもない俺は質問を重ねた。  「あー……迷惑、だったか?」  って超ヘタレかよ俺!!  誘っておいて速攻引くって、俺何やってんの?  なんで葛西相手にこんな―――なんて思っていたら、勢いよく顔を上げた葛西が、満面の笑みで俺に食らいつかんばかりの勢いで声を上げた。  「さ、さし、差し入れとかっ!! しても、いいんですよね! それってっ」  *    
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