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―――好きだって、言わされるんだろうな……
そんな日が、遠くない気がする。
俺は、まんまと葛西に嵌められているから。
だけど、多分。
認めたら最後で、ずっと言わされ続けるような気がして、俺はまだその言葉を封印する。
―――いつか俺の方が、葛西の気持ちを超える気がするから。
だから今くらい、理不尽な独占欲をみせても許してくれるよな?
「荷物寄越せ……友香」
「へっ……!?」
「遅ぇよ」
「は!? え、えぇえ?」
訳が分からず慌てふためいている友香に苦笑しながら、無理矢理荷物を奪う。
そうしたら友香は、ビックリした表情の後に満面の笑みを浮かべて言った。
「先輩、やっぱり石ころ蹴ってもいいですか!?」
「はぁ?」
やっぱりコイツの回路はよく分からない。
けど、来年、再来年、その先―――俺は、分かるようになるのかもしれない、な。
一先ず今晩のメールは、おやすみだけじゃなくて『また弁当作れよ』って送ろうと思う。
多分、いや絶対。
コイツは満面の笑みを浮かべて、ハイって返事をしてくれるだろうから。
(fin)
25.1.22
甘さが足りないって言われそうな予感……!
これが二人の亀の歩みということで、どうかお許しを。
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