新春ナーバス

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 視界の隅で何かがゆれている。 「…?」 ああ、面倒くさい。手紙じゃないか。なに?これ。先生が配ってるやつ?…まったくさあ。そういうのはちゃんと上半身を曲げて後ろを向いて渡してよ。手だけ後ろにやってヒラヒラさせんなっての。 「…………」 私はこんな無愛想な人じゃないからちゃんと後ろを向いて 「はい、手紙。」 って言いながら渡すよ。 「ありがとう。」 後ろに座ってたのは、……。 「…イケメン。」 「え?」 「あいや、なんでもない。」 ついつい言ってしまった。勿論私と同じ列の席だから女の子なんだけど。なんというかこう…。イケメンなんだ。髪短いし、ボーイッシュなんだよな。うん。 後ろのイケメン(名前は何かしら?)は薄く微笑んだ。
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