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うーむ。気になる。聞いてみるか。
「あ、朝川さん。」
「はい?」
うん、イケメンだ。
「…よ、よろしくね。」
「…はあ。よろしくお願いします。」
いかん、警戒されそうだ。
「い、いやあのね、私の出身中学の子がね、みんな別のクラスに行っちゃってさ…。ちょっと心細くてさ。」
「にゃるほど。」
にゃるほど!?可愛い!!!!イケメンを侮ってた!!!
「こちらこそよろしく。えっとー。りなちゃんだよね?」
「あ、りなでいいよ。私も亮子って呼んでいい?」
「いいよ。」
薄く微笑むとこれまたイケメンだなおい!!!
「宗一郎は?」
「………」
亮子がイケメンすぎて話しかけた本来の理由を見失ってた…。そうだ、この人と付き合ってるかどうかを聞きたかったんだ。
「…荒川宗一郎です。」
「ふむ。まあちと無愛想だけど。打ち解けると喋るようになるキャラだから。」
「よろしくお願いしまーす。…でさ。」
「うん?」
ああ、なんか聞きずらい。
「二人って、……付き合って、ん、の?」
聞かなきゃよかったかもしれない…。いやだって今荒川さんめっちゃ顔しかめたもん…。亮子はキョトンとしてるからいいけど…。
「…付き合って、ないよ。」
「…え?」
「別に、宗一郎とは一緒にいるだけさ。」
負けたよイケメン。
「そっか…。ごめんね、出会い頭に図々しい事聞いて。」
「いいよ別に。気にしてないよ。」
ああ微笑むのとその性格、やっぱりイケメンだなあ。…荒川さんは普通にイケメンだなあ。無愛想だけど。
「じゃあ、俺らもそろそろ帰るよ。」
一人称俺かい。
「あ、うん。じゃあね。」
「バイバーイ。」
荒川さんは小さく会釈だけして行った。二人は身長差がすごいなあ。亮子の目の高さに荒川さんの鎖骨があるとはどういう事だ。…二人手繋いでるし。しかも恋人繋ぎ。あの指絡めるやつ。絶対付き合ってるよね、あれは。
……まあ、いいか。私も帰ろーっと。もう3組終わってるかなー。
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