走り始めたキモチ

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美「了解。行こ!」 美波も揃って歩き出す。 釜ちゃんというのは本社の経理部長でコテコテの関西弁とネチネチとした話し方で社内の女子から好かれてはいない。 すぐにプライベートに踏み入るからであると思われる。 坂もっちは美波がいる支店の営業マン。 仕事は出来ないがキモチの優しい40男だ。 美波と話しながら歩くこと10分、西口のタクシーロータリーで見慣れた顔を見つけた。 砂「お疲れさまでっす!」 万「お~疲れちゃん♪」 見慣れた顔は同じく同僚の葛西万里子と北原あゆかである。 北「この週末の西口でよくうちらがわかるよね。ほんっと遊び慣れてるって感じ。」 砂「あゆかの顔カワイくて目立つからさぁ~」 わざとらしく切り返す。睨むあゆか。 葛西万里子は年齢が一つ上だが、わたしより後輩にあたる。脳天気なB型でにぎわい事が大好き。今夜のコンパの幹事でもある。 一方、北原あゆかは、これまたわたしより6歳年上だが、わたしの方が2年先輩。一言一言に毒を発し、物事はっきりいう性格なので周りからは姉御的な存在で慕われている。 万「あゆかさんは~今日ご機嫌斜めなんですよね?」 横目であゆかを誘うように見る万里子。 後から聞いた話だがその日あゆかは彼氏に振られていた直後だったらしい。
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