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「あぁ……まだいてぇ……まじで骨、大丈夫なのか……?」
矢神は背中をおさえながら道端を歩いている。
辺りには公園もあり賑やかな近辺まさに平和そのものだ……
だが、ハプニングは突然やってくるものだ
公園からボールを追いかけてくる少年、そして……そこに突っ込んでくるトラック
「な!?危ない!!」
慌てて声をかけるが、気づいた少年はトラックに恐怖のあまり体が硬直して動かない、いや動けない。
「く、くそぉっ!!間に合え!!」
走り出し少年を救出に向かう八神。
その隣から聞こえる聞き覚えのある声
「――邪魔だ――」
八神を横に弾き少年を抱え込みトラックを間一髪で回避したのはやはり悪魔……いや、先ほどの男だった。
男は自分の腕の中で泣き始めた少年を公園のベンチに座らせ
「簡単に泣くな……男だろ?」
と言うと少年の頭を軽く撫でどこかに去って行った。
「す……すげ……」
一人感心する八神、あの男は自分より確実に後ろにいたが全力で走った自分を抜いたのだ。けして八神は足は遅くない
つまり男の運動能力の高さはかなりのものだろう
そして、先程の募金箱を蹴った彼の意外な一面に八神は唖然としていたのは勿論の事だった。
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