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「あのっ!」
思いきってさっきよりもおっきな声をだして呼んでみると、
ちらっと私を横目で見て、不機嫌そうに起き上がってから、何も言わずに、いきなり私に近づいてきた。
そしていまの状況。
私を逃げ場のないところまで追いやった先輩は、満足そうにじっと私を見て、静かな笑みをうかべる。
そのいじめっこのような綺麗な笑顔に
…ードクンと心臓が音をたてた。
目が離せなくてかなり近い距離で先輩を見てみると、さっきは隠れて見えなかったけど
栗色の少しふわふわした髪
きれいすぎるほど整った顔立ち
まだ寝起きの少し細まった目が、
色気さえも感じさせる。
どこかの漫画の主人公のようなその容姿に、私は見惚れていたのかもしれない。
「かっこいい…」
そんな言葉が私の口をついて出ていた。
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