1章

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先輩は眉をピクリと動かして驚いた顔をしたけど、直ぐにまたふっと笑って 私の耳元に顔を近づけた。 先輩の髪がちくりと私の頬をかすめて思わずビクッと反応する。 「そんなに俺がかっこいい?」 先輩の声はぞくっとするほど 低くて、耳に残り自分の顔が赤くなるのがわかった。 「別に…かっこよく…ないですっ…ていうか離れてください!」 この状況に耐えられなくなった私は、なんとか声をだして精一杯押し返そうとしたけど、 先輩はびくともしなかった。 それどころか 「顔赤くしちゃってかわいい」 なんて余裕の表情で言うから それが余計に私を恥ずかしくさせて、とにかくこの場から離れたい一心で逃げようとするけど、 グッと腕を捕まれる。 .
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